第二子を妊娠しているとき、第一子のときにはならなかった、妊娠糖尿病になってしまいました。友人は第一子のときは妊娠糖尿病、第二子ではならなかったというので、同じ人間によっても妊娠ごとに違うのですね。
今回は、妊娠糖尿病の検査のこと、そして妊娠糖尿病と診断された後のことを書きます。
アメリカでの検査時期と検査方法
検査時期
妊娠24週~28週のうちに、病院で検査をします。
検査方法
1時間前に病院で渡される甘い飲み物を飲み、採血検査を受けます。
大抵、検査する前の検診で、「次回、グルコーステストをするから、ここに来る1時間前に飲んでね」と、上の写真のような、激甘ペットボトル飲料を渡されます。
1回目の検査で引っ掛かるとどうなる?
一度目の検査で引っ掛かってしまった場合は、再検査となります。再検査は1回目の検査より注意深く行われます。
前日の夜12時以降、絶食(水も不可)の状態で、朝8時に病院に行きます。絶食状態での採血→激甘ドリンクを飲む→1時間後に採血→2時間後に採血→3時間後に採血といった流れです。その間、引き続き何も口にしてはいけません。つまり、夜12時から昼11時過ぎまで、検査のための激甘ドリンク以外、口にしないということ。しかも待機は病院の待合室、大変でした。(激甘ドリンクを飲んだ後に水を飲めないのが地味につらかったです)
2回目の検査でも引っ掛かるとどうなる?
再検査でも引っ掛かると、【Gestational Diabetes(妊娠糖尿病)】確定です。妊娠糖尿病と診断されると、自分で血糖値測定をしたり、糖尿病の専門医のカウンセリングを受ける必要があります。
1日4回の血糖値測定
1日4回の血糖値測定を自分で行い、週一回専門機関にメール(またはファックス)で提出することになります。1日4回というのは、起床後すぐ・朝食後・昼食後・夕食後です。
食後は1時間後、もしくは2時間後のどちらかで、それぞれ目標数値が異なります。
1時間後~2時間後ではなく、1時間後もしくは2時間後です。具体的に、1時間後の数値が140以下、もしくは、2時間後の数値が120以下であればOKです。
このような自宅検査キットが支給されます。
検査方法
①針をセットします。
②指に針で傷をつけます。先端から針が飛び出るのですが、ゴムで弾く感じ、毛を抜くくらいの痛さです。
③機械にセットしたストリップに血を染み込ませます。
④3秒待ったら結果が出ます。
⑤病院で渡された表に記入し、週一回メールで提出します。
糖尿病専門医のカウンセリング
糖尿病の専門医のカウンセリングを受けることになります。
妊娠糖尿病が母体と赤ちゃんに与える影響について説明を受け、また食事についてのアドバイスも受けました。
糖尿病専門医からFAQ集(よくある質問)をもらったので、ポイントをかいつまんで翻訳し、載せておきます。
アメリカで一般的に言われていることが記載されていました。中には日本で言われていることとは異なる点もあるかもしれません。しかし、こちらの病院では、下記のことを基に医師と話すことになりますので、頭に入れておくといいと思います。
妊娠糖尿病(Gestational Diabetes)のFAQ
アメリカ版の妊娠糖尿病のFAQを翻訳して記載しております。
妊娠糖尿病の原因
母親の身体は赤ちゃんにより多くの栄養素が届くように、血糖値をあげる。そして同時に、インスリンというホルモンも増加させ、血糖値を正常に保とうとする。しかし、一部の女性ではインスリンの分泌が足りず、血糖値が高くなるため、妊娠糖尿病と診断される。
よりリスクがある妊娠糖尿病の人は?
・25歳以上
・体重過多
・過去に妊娠糖尿病にかかった人
・とても大きな赤ちゃんを出産したことがある人
・近親者に糖尿病の人がいる
・死産した経験がある
・アフリカ系、インディアン、アジア系、ヒスパニック、ラテン系、太平洋系の人種
妊娠中に与える影響は?
・赤ちゃんがとても大きくなる可能性がある(巨大児=macrosomia)
・出産時、帝王切開になる可能性がある
・高血圧や子癇前症になる可能性がある
赤ちゃんに与える影響は?
呼吸や低血糖、黄疸の問題を抱えて産まれてくる可能性がある。しかし、妊娠中に食事療法などでケアすることで、これらの可能性は減らすことが出来る。
妊娠糖尿病のその後
妊娠糖尿病になった場合は、出産後も糖尿病になる可能性がある、子供も然り。そのため、出産後には糖尿病の検査を受ける必要がある。子供も、経過観察が必要。
コントロールの方法
血糖値をコントロールする必要がある。健康的な食事をし、適度な運動をし、それでも改善されな場合は薬を摂取することになる。薬は口から摂取する場合が殆どだが、必要に応じてインスリンを投与することもある。
出産時の注意
ほとんどの妊娠糖尿病の女性は、経腟分娩で出産する。しかし、妊娠糖尿病でない女性とくらべると、帝王切開の可能性が高い。そして、出産時期も予定日より早めるだろう(陣痛促進剤などを使って)。
出産後に糖尿病検査が必要
出産後6~12週で糖尿病の検査をする必要がある。(糖尿病であった場合は引き続き治療が必要)正常値であった場合でも、3年ごとに糖尿病検査をする必要がある。
妊娠糖尿病のための食事の注意点
妊娠糖尿病の専門医、および栄養士より食事指導がありました。
炭水化物を抑える
一回あたり1カップ以下に炭水化物を抑えること。おなかが空いたら、野菜やたんぱく質をとること。特に夜は野菜とたんぱく質を多くとるように注意すること。
甘い飲み物は飲んではいけない
ジュースやソーダといった甘いドリンクは飲んではいけない。ジュースは100%のものであってもダメ(実際に果物をとるより糖分が吸収されやすくなっているため)。
妊娠糖尿病中のおすすめの食べ物
・ヨーグルト(無糖のもの)
・ホットミルク
・チーズ
・ピーナッツバター(無糖のもの)
・アボカド
・ハムス(パンやクラッカーではなく、人参やセロリなどの野菜につける)
どうしても甘いものが食べたくなったら、砂糖控えめのチョコレート一かけなら食べても大丈夫、とのことでした。
キッチンにストックしておくと良い食べ物
渡された資料の中に【Quick Breakfast/Lunch/Dinner Ideas】【Stock Your Kitchen】というものがありました。
つまりはお腹すいたときに摘まめるものです。ついついお菓子やパンを食べてしまうのを防ぐために、低糖質のものをキッチンに置いておきましょう、ということ。
Fruit(フルーツ)
フレッシュフルーツ(りんご・バナナ・オレンジ・梨・桃)
フローズンフルーツ・・・スムージーや無糖のヨーグルトに混ぜるとよい
缶入りフルーツ・・・シロップではなく果汁につけられているもの
ドライフルーツ・・・レーズン、クランベリーなどをオートミールに入れるとよい
Whole Grains(穀物)
オーツ
100%全粒粉のパンやイングリッシュマフィン
甘くないシリアル(whole grainかbranのもの)
Nuts(ナッツ)
塩味のついていないナッツ(ウォルナッツ、ピーカン、アーモンド、ピーナッツ)
ピーナッツバター、アーモンドバター
Eggs & Dairy(卵・乳製品)
卵
スキムミルク・1%ミルク、豆乳、アーモンドミルク
低脂肪ヨーグルト、無脂肪ヨーグルト
カッテージチーズ(1%か2%の低脂肪のもの)
Vegetables(野菜)
凍ったパプリカやオニオン(オムレツに簡単に入れることができます)
トマト
ベビーキャロット
ブロッコリー
パプリカ
セロリ
ミックスグリーンやほうれん草
Protein Foods(タンパク質)
ツナ缶
減塩の豆の缶
減塩で調理された肉(ローストターキー、チキン、ローストビーフ)
卵は固ゆでにしてストックしておくとすぐに食べれてよい
Some Extras for Flavor(調味料など)
ホットソース
フムス
サラダドレッシング
マスタード
サルサソース
バルサミコ酢
オリーブオイル
ライム・レモン
さいごに
私の場合は妊娠27週の初めのグルコーステストで引っ掛かった時(結果は一週間後の28週に分かりました)から糖質を控え初め、30週からはかなりストイックに糖質制限をしていました。お菓子は一切口にせず、炭水化物も指定された1回1カップでは多すぎると思った(というか普段と変わらない)ので、1日で1カップかそれ以下に抑えていました。
甘いものや高カロリーなものが多いアメリカですが、それと同じくらいヘルシーで健康的な食べ物があります。スーパーに行けば高たんぱく・低カロリーな調理済みのお肉が売っていますし、炭水化物に代わるもの(カリフラワーをお米のように細かく刻んだカリフラワーライス、ズッキーニをパスタのように細く切ったズードルなど)も種類豊富にそろえてあります。
28週~40週で出産するまでの13週、約3か月。自分とお腹の子供のために糖質制限生活を送りました。確かに甘いもの食べたいーと思うことはありましたが、期間が決められているので我慢できました。
産後の今、スープを作って飲んでいますが、妊娠糖尿病でも安心して飲める、しかも美味しいスープなので是非作っていただきたいです。