妊娠・出産

NY出産体験記~第2子編~

入院するまで(計画分娩の経緯)

今回は2年前の第一子妊娠中にはならなかった妊娠糖尿病になってしまいました。

妊娠糖尿病になると、胎児が大きくなりすぎてしまう危険があるため、予定日よりも少し早く、陣痛が来ない場合は促進剤を使って産むことになります。

入院の予定を組んだのは、出産予定日2日前の午前1時(午前・・・真夜中です)。
予約時間の2時間前にベッドの空きがあるか病院に電話して確認するように指示を受けていました。夜11時に電話をしたところすぐに来てOKとのこと、病院に着いたら固形物NGだったので軽く腹ごしらえをしてから向かいました。(前回の出産では予約時間朝6時だったのに結局OKが出たのが夕方6時だったので、即OKの返事に心の準備が出来ておらず、焦りました。)

入院中のこと

自宅のあるミッドタウンからアッパーウエストの病院までは車で20分強、真夜中12時半に自宅を出発しタクシーで向かいました。いつもは混雑して渋滞することも多いマンハッタンですが、さすがは真夜中、あっという間に病院へ到着しました。

今回は第1子の時と違い、精神的にとても余裕があったので、インスタのストーリーで実況中継をしながら出産し、友人達を驚かせました。入院中の食事も写真に撮っていたため、一緒に掲載いたします。

出産まで

午前1時 入院手続き

Labor & Delivery Triageで入院手続きをします。
沢山の書類に記入し、サインし・・・これ、陣痛始まってたら辛いだろうなーと思いながら、淡々と済ませました。
 

アメリカではLDR(Labor/Delivery/Recovery)といって陣痛、分娩、回復まで一つの部屋で行うのが一般的。陣痛室から分娩室へ移動する必要なく、いざ出産とうときには妊婦は寝たままベッドの形が変わって分娩台になります。

午前2時半 病室、LDRへ

書類の記入や尿検査が終わり、LDRに入ったのは午前2時半、病院に到着してから1時間以上経っていました。(これ、陣痛始まってたら・・・)

LDRはこんな感じ。付添人がくつろいで過ごせる大きなリクライニングソファがあり、テレビがあります。無痛分娩が主流のアメリカならではのお部屋なのではないでしょうか?
(陣痛に耐える妊婦の横でリクライニングチェアでテレビ見ながら過ごすことはないですものね!!)


写真左奥の置いてある機械は、産まれた赤ちゃんを処置するもの。

ガウンに着替えて、ベッドに横になります。(リクライニングの背もたれは90度近くまで上げていたので、座っている感じ?)

午前2時45分 子宮口の開き3センチ

医師が来て子宮口の開きを確認、3~4センチ開いていました。
医師が今後の流れの説明をしている間に、ナースが点滴用の針を入れて、そこから血液検査用に採血、そして生理食塩水の点滴をしはじめました。
(この点滴用の針が楊枝くらいの太さで痛かったです・・・ナースに言ったところ、スピーディーに採血や薬を入れるためよ!と。)

午前3時30分 麻酔開始

麻酔専門医がやってきて、硬膜外麻酔、エピデュラルをしました。

前回の出産でトラウマになったエピデュラルでしたが、今回の麻酔医はとても丁寧で、安心して任せることができました。

まずは皮膚に麻酔を打ち、そのあと細い注射の麻酔を何か所かに打ちます。そして、エピデュラルの針(ストロー状で中にカテーテルが入っており、針は抜いてしまうのでベッドに横になることが出来ます)を腰のあたりに刺しました。直前の局所麻酔が効いているため全く痛くなく、腰が少し重い感じがしただけでした。麻酔医はどのように麻酔をするのか、足が冷たくなる感覚があると思うけれど、それはノーマルだとか、一つ一つ細かく丁寧に説明してくれたので、安心してお任せすることが出来ました。

午前4時05分 尿道カテーテル

エピデュラルを入れると自力で歩けなくなるので、尿道カテーテルを通しました。こちらも完全に麻酔が効いているため、不快感は多少あるものの全く痛くありませんでした。

午前4時15分 陣痛促進剤の投与開始

パトーソンという陣痛促進剤を点滴で入れ始めました。
とくに痛みもなく、麻酔の影響で少し脚がしびれているかなーというくらい。

ここから部屋を暗くしてもらい仮眠をとりました。
看護師さん曰く、「出産直前まで寝て過ごして、最後だけ起きて産むっていうのがノーマル」とのこと。産後2日で退院ということを考えると、そうでもしないと無理ですよね。

午前8時 陣痛間隔が2~3分(不規則)

モニターのグラフを確認すると、陣痛の間隔が2~3分おきくらいになりました。でもまだ不規則なので、しばらく様子をみることになりました。

午前8時20分 朝ごはん

朝ご飯が来ました。エピデュラルを入れた後は固形物NG(透明な飲み物しか口にしてはいけないとの説明を受けました。つまり牛乳、ラテなどはダメ)なので、出てきたのはこちら・・・
 
紅茶(砂糖、ミルクなしのストレートティー)
オレンジゼリー(つぶつぶの果肉など入ってないもの)2つ、
上の写真の通り、びっくりするくらい綺麗に透き通ったゼリーでした(笑)
ダイエットジンジャーエール(砂糖不使用、人工甘味料使用のもの)
野菜スープ(具材なし)

出産直前の固形物(ミルク含め)NGと、妊娠糖尿病で砂糖NGだったので、非常にかわいそうな食事です。。。
その真横で主人が食事・・・SUBWAYのサンドウィッチ、病室を抜け出して買ってきてました。(陣痛が痛かったら許せなかっただろうけど、笑顔で買ってきてーいってらっしゃいと言えました。まぁ、真横で食べてたのは羨ましかったですけど、)

午前9時10分 陣痛感覚2分半

エピデュラルが効いていて、まさに無痛。
陣痛感覚はモニターで測る感じで、自分では全くわかりませんでした。

午前10時 人工破水

子宮口4センチから、なかなか進まないので、人工破水させました。
医師が棒を突っ込んで・・・麻酔が効いているから触られた感触しかありませんでした。
そのタイミングで2年前の出産時に効き目の抜群だった(子宮口が一気に開いた)ラズベリーリーフティーを飲みました。私が飲んだのはTRADITIONAL MEDICINALSのものです。アメリカだとWhole Foodsなどで手に入ります。

午前11時30分 子宮口4センチ

子宮口4センチからなかなか進みません。看護師さんに確認すると子宮口6センチからがActive Laborと言われ、そこから1センチ開くのに1時間かかるそう。
ということは6センチから全開10センチになるまで4時間、その前にまず6センチまで開かなくてはならないのだから、産まれるまでは最低6時間くらいはかかるかなーと思っていました。

それからは、鼻から息を吸って口からゆっくり息を吐く、マタニティヨガで習った呼吸法でリラックスしていました。

午後12時15分 産まれそうな間隔

すると12時15分から、急に激しい便意が・・・(これが赤ちゃんが出てくるサインと言われています)、内側から押されている感じがあったら連絡するよう言われていたので慌ててナースコールのボタンを押します。でも全然医者が来ない!焦りました。

私含め、全員が夕方になるだろうと思っていて、準備が全然できていなかったのです。

午後12時36分 出産

12時36分、担当の医者が間に合わず、偶然あいていた医者とその医者が教えていた研修医6人に見守られながら出産いたしました。

まったくの無痛から、痛み&産まれそうな便意に似た激しい痛みを感じはじめて、わずか20分の出来事でした。

担当の医者はベテランですごくいい先生とナースから聞いていたので残念という気持ちでしたが、後で考えれば教育係の医者が丁寧に研修医に指示を出し、研修医6人(実際足元で対応してくれたのはそのうち3人)が一生懸命に赤ちゃんが飛び出さないように頭を押さえてくれて、会陰を丁寧に少しずつ広げてくれたおかげで、会陰が無傷で済んだので、結果的に良かったと思っています。その後の処置(胎盤を出したり残留がないか確認したり)も少し時間はかかったものの、非常に丁寧でした。

取り出された赤ちゃんはそのまま私の胸の上に置かれました。これはカンガルーケアと呼ばれ、出産後すぐに素肌の胸で抱くケアの方法。母乳育児の促進や、その後の育児放棄リスクの減少、親子の絆づくりに効果があるそうです。

赤ちゃんは3330gでした。第1子の3640gと比べると一回り小さく、細くか弱い感じがしました。これもおそらく妊娠糖尿病の糖質制限が影響していると思われます。

出産後(入院中の食事を紹介)

妊娠中は妊娠糖尿病のため糖質制限をしていたため、お米やパン、パスタをほとんど食べていなかった私。

そして入院してからは固形物NGなので具無しスープやびっくりするほど透き通ったゼリーを食べていたのですが・・・

出産直後(30分後)に運ばれてきたランチから一気にご覧ください。
(出産当日の昼夜、出産翌日の朝昼夜、退院日の朝昼の全7食です)

出産当日のお昼ご飯

どーん!!!
まるで機内食のようですが・・・

チキン(焼きすぎ)
インゲン(大量)
ご飯と豆を炒めたもの(ピラフのような感じ)
リンゴ(丸々一個そのまま出てきた)
パン
紅茶
ジンジャーエール
レモンシャーベット

出産当日の夕ご飯

ラップチキン(下にレタス一枚、トマト、オレンジ)
ベジタブルスープ(トマト味)
ジンジャーエール
アップルジュース
チーズ味のリッツ
イチジクのジャムが入ったクッキー

出産翌日の朝ご飯

パンケーキ
ゆで卵
オートミール
バナナ
牛乳
紅茶
オレンジジュース

出産翌日のお十時?病院からのお祝いケーキ

病院からお祝いのレモンケーキをいただきました。ベビーカー・哺乳瓶・ベビー服をモチーフとして可愛い砂糖菓子のトッピング、真ん中には病院のロゴも。

アメリカンなお味で、日本から来ていた両親含め全員一口でギブアップでした。

出産翌日のお昼ご飯

チキンとチーズのペンネパスタ
ベジタブルスープ(具無し)
フルーツカップ(甘い汁に梨と桃が漬かってるDole社のもの)
牛乳
パン
紅茶

出産翌日の夕ご飯

ローストチキン
マッシュポテト
コーン
ベジタブルスープ
パン
カットフルーツ
紅茶
牛乳

退院日の朝ご飯


全粒粉のパン2枚
ソーセージ2本
ほうれん草入りオムレツ
ヨーグルト飲料
カットフルーツ
紅茶

退院日のお昼ごはん

ハンバーガー
フライドポテト
パン(ハンバーガーあるけど)
カットフルーツ
牛乳
紅茶

おまけ(お夜食と痛み止め)

産後、子宮が元に戻ろうと収縮するために後陣痛という腹痛があります。(人それぞれ痛みはことなりますが、一人目より二人目、二人目よりも三人目・・・と痛みが強くなる傾向があります)

ナースに言えば痛み止めをもらうことが出来るので、我慢せずに伝えましょう。

痛み止めは3種類あり、モートリン(イブプロフェン)、タイレノール(アメリカ人がよく使う薬)、あと一種類は名前は忘れてしまいましたが、かなり強い薬です。。
私は入院中モートリンとタイレノールの2種類を併用して飲んでいました。こちらは両方同時に飲むことが出来、それぞれ6時間の間隔をあけなければならなかったので、3時間おきに交互に服用しました。(1時モートリン、4時タイレノール、7時モートリン、10時タイレノールといった感じ)

そして空腹時に服用すると胃があれる恐れがあるとのことから、真夜中2時3時のタイミングでの服用の際にはナースがおなかに入れるものを一緒に持ってきてくれるのですが・・・
それが毎回クラッカーと激アマジュースでした。

 

初めは母乳のために食べてという、お夜食かと思ってたのですが(笑)胃が痛くならないために、少し口に入れたほうが良さそうです・・・。

他に入院中口にしていたものは、大量の水と陣痛中もお世話になったラズベリーリーフティーです。ラズベリーリーフティーは子宮収縮の作用の他、母乳の出を良くする効能もあるので、陣痛中から退院まで飲んでました。(退院後はラズベリーリーフティーとマザーズミルクティを飲んでました。)

2泊3日の入院生活を振り返って

2泊3日の入院生活はあっという間でした。帝王切開でも5日で退院、通常一週間以上入院するという日本と比べると驚かれる方が多いと思います。

しかしながら、アメリカは無痛分娩が一般的で母体の体力消耗が少なく、夜間はナーシングステーションに預けられ、3時間おきの母乳のタイミングだけ赤ちゃんが母親のもとに連れてこられます(これは選ぶことが出来、ずっと赤ちゃんと病室で過ごすこともできます)。

私自身も陣痛はほぼ経験せず(痛かったのは産む直前15分ほど)、その後も預けてしまい寝ていたので、非常に回復が早かったです。第一子の際は夜中も一緒に過ごしたため辛かったという失敗経験もありました。それに、退院したら二人育児の始まりですから、ここは割り切って預けてしまいました。

おかげで、退院翌日(産後3日)で友達に家に来てもらい赤ちゃんをお披露目することが出来ましたし、新生児を過ぎた産後1か月後からは上の子のリトミック教室や公園遊びなどに付き合って外出することもできるまでに。

アメリカと日本、子供を育てていく上で今後も様々な違いに遭遇するかと思いますが、自分たちにあった方法をいいとこどりして育てていきたいと思います。

最後に・・・妊娠と安産を願って。


陣痛中に書いた赤富士。(出産する2時間前くらい)
妊娠と安産の効果があるそうなので、貼っておきます。

NY出産体験記~第1子編~アメリカでの妊娠・検診に関する情報をお伝えしておりますが、自身の記録目的もあり、実際の出産体験を皆さんにシェアさせて頂きます。アメリカで...