妊娠10週の時から次から次へと異常が見つかり、常に不安でいた妊娠生活
毎回「次は何が見つかるの?」と怯えながら通った病院
赤ちゃんはすくすく大きくなり、妊娠40週の時に出産しました
赤ちゃんはNT(首のうしろのむくみ)が厚く、単一臍帯動脈、更に心臓の血管が一本多いという問題があったため、念入りに検査されることになりました。
出産翌日に医師が来て更なる問題を告げられました
「心臓に2つ穴が空いています」
その場では冷静に繕っていましたが、医者が部屋から出て行った途端、私は泣いてしまいました。
「ごめんね、ごめんね」
健康に産んであげられなかったことが申し訳なくて、赤ちゃんに何度も謝りました。
医者の専門が細かく分かれているアメリカ。心疾患の専門医を紹介され、退院の日までに詳しく診察してくれることになりました。
専門医から説明があり、「心臓に2つ穴が空いていて、1つは小さいけれど、1つは6ミリある」と言われました。3キロしかないこんなに小さい赤ちゃんの、小さな心臓に6ミリの穴が空いている、聞いたときの足が冷たくなっていく感覚は今も忘れられません。
そして、心疾患の専門病院に定期的に通うことになりました。
生後3ヶ月の時には小さい方の穴は塞がっていました。次の予約は3ヶ月後の生後6ヶ月、その間も私には何もすることが出来ません。心臓に穴が空いている子は風邪などで体調を崩すと重篤化しやすいと聞いていたため、室温管理や服などには気をつけて過ごしました。
穴は心臓の成長と共に塞がる可能性があると言われていましたが、もし次の検診で塞がる兆候がなければ、手術する可能性もあるとのことでした。生後間もない小さな我が子をみて、手術の話を思い出しては胸が締め付けられる思いでした。次の検査までの3ヶ月、毎日少しずつ成長していく姿をみて、嬉しく幸せな気持ちでしたが、奪われてしまうのではないかという恐怖が常にありました。
生後6ヶ月が経ち、検査に向かいました。幸運なことに、残り一つの6ミリあった穴も塞がっていました。
「もうここに来る必要はない」医師の言葉が涙が出るほど嬉しかったです。
心配していた今後の運動制限などもなく「普通の子と同じように過ごせます」と言われた時に、ようやく解放されたと安堵しました。
辛かった1年半
妊娠が判明して間もない妊娠10週から生後半年まで、1年半、我が子のことを心配し続けていました。
妊娠10週の時のダウン症疑惑に始まり、単一臍帯動脈、心臓の血管が多い、心臓に二つの穴…
次から次へと医師から言い渡される宣告に、病院に行くときは常に不安と恐怖が付き纏いました。
生後半年でようやく全てがクリアとなり、長く暗いトンネルを抜けた、そんな気がしました。
産まれる前からこんなにも多くの問題が見つかりましたが、3歳になる我が子は毎日元気に過ごしています。
1歳のころに検診で今までの病歴を聞かれた際、すべての経緯を医師に話したことがあります。
「それで?手術はしたの?」、「いえ、何も」、「Amazing!!!!!」医師は驚いていました。
当たり前に生まれてくる命はないということ、健康でいられることのありがたさを教えてくれました。
